東京都東村山市にある心療内科・精神科のクリニックです。
医師は院長のみですが、毎週水曜日・土曜日には臨床心理士の方がいらしているため、カウンセリングを受診することもできます。
おのクリニックの評判・口コミ
先生がとても熱心に話を聞いて下さって安心しました。
総合評価:
先生がとても熱心に話を聞いて下さって安心しました。
クリニックの場所も東村山駅すぐそばで、通いやすいです。
院内がきれいなのも良かったです。
(Googleマイビジネスの口コミを引用)
診療日・時間
毎週火曜・水曜・木曜・土曜日の13時~19時
完全予約制になりますので、受診希望の方は、お電話でご予約をお願い致します。
TEL042-308-0600
アクセス・住所
西武新宿線 東村山駅東口徒歩1分 所沢駅から1駅でアクセス良好♪
〒189-0014
東京都東村山市本町2-3-92 東住本社ビル5F
診察ポリシー
何重にもわたる発話の往還には相応の時間がかかります。ところが、現在の精神科診療の実情としては、大学病院や市中の大病院などの場合、一人当たりの平均診察時間は10~15分程度ではないでしょうか。もちろん、自由診療を行っているクリニックなどの場合、十分な診療時間を確保できますので理想形に近い診療が可能でしょう。しかし、保険診療を行っている多くの医療機関においては、10~15分前後の診察時間がスタンダードと思われます。
このような制約のある時間枠の中でいかに良質な医療を実践するかが、現在の精神科診療の課題といえるでしょう
残念ながら、その決定的な打開策はいまだ見出されてはおりません。個々の医師が創意工夫を凝らしながら診療を行っているのです。
たとえば、人によっては、診察時に不調や苦しさを吐露することに抵抗を感じてしまい、話せなくなってしまうケースがあります。そのような場合、患者の方があらかじめ家で不調や苦しい点をメモして、診察時に医師に手渡すという方法はとりわけ有効となります(具合の悪い時には、文を書くことすら苦しい作業ですので、メモ程度で十分なのです)。
このような、些細とも思われるような工夫を積み重ねつつ診療を行っているのが、現在の精神科医療の実態であり、当クリニックも「些細な工夫の積み重ね」を実践的目標として掲げたいと考えております。
その一方で、十分な時間をかけてお話を伺わなければ治療がうまく進展しないケースにつきましては、カウンセラーを配備し、カウンセリングを受けられる体制を作りました。カウンセリングを積極的に活用していただけたらと存じます。
(おのクリニックHPより引用)
臨床心理士による心理カウンセリング
女性の臨床心理士がカウンセリングを担当しています。
〇診療日・時間
毎週水曜・土曜日の14時~18時
〇料金・・・30分2000円
予約制になりますので、事前にお電話でご予約をお願いします。
TEL042-308-0600
小野博行院長プロフィール
略歴
昭和59年:東京大学医学部医学科卒業、東京大学医学部附属病院分院神経科入局
平成6年 :同科助手 医局長
平成7年 :同科講師 病棟医長
平成13年:東京大学医学部附属病院精神神経科講師 外来医長
平成14年:財団法人神経研究所附属晴和病院勤務
平成17年:東京芸術大学准教授 保健管理センター勤務
平成21年:医療法人社団飛白会「山下医院」勤務
平成23年6月:「おのクリニック」開設 同クリニック院長
専門医・認定医
精神保健指定医 認定産業医
小野博行院長のブログを紹介
心療内科と精神科の違いについて
心身の不調を感じてその専門科を受診しようと思った時、世の中には精神科と心療内科があることに当惑し、どちらの科を受診していいのか悩まれる方も少なくないと思います。
精神科は「精神」の科という名称になっているので、精神疾患を扱っている科ということはすぐにわかるのでしょうが、
心療内科って何だろう?
「内科」という言葉が入っているのでやっぱり内科?
でも、うつになったら心療内科にかかってくださいと言われているし、精神科というと精神病のような重い病気の人が行く科じゃないのかな。
自分はそこまで重い状態だとは思わないけど。
と、迷い始めてしまうのではないでしょうか。そこで今回は、精神科と心療内科の異同についてお話いたします。
精神科とは
精神科は300年以上の歴史を持った診療科です。長らく入院治療が中心でした。入院治療といっても、近年に至るまで治療薬がなかったために、もっぱら静養によって病状の安定化を目指したものと言えるでしょう。
それは確固たる治療法がない状況下での入院ですから、ともすると病状の重い方を社会から隔離するという側面があったことは否定できず、それが精神科なのだという見方が社会的通念になっていた時代も長かったと思われます。
このような歴史的イメージが精神科には付きまとうため、精神科は重い病状の人が受診する科なのではないのか、という懸念も生じるわけです。
しかし、1952年にクロルプロマジンが統合失調症に有効であることが見出され、さらには1957年にイミプラミンがうつ病に有効であることが見出され、以降、精神疾患の薬物療法が可能となりました。現在では、薬物療法をベースに、認知行動療法、諸種のカウンセリングの併用によって治療が行われています。
ことにここ数年、うつ病が社会に広く知られるようになり、うつ病患者の受診者数が増える一方、軽症のうつ病も多くなり、抗うつ薬の種類の増加ともあいまって、治療の中心は外来治療となっています。20年、30年前と比べて精神科のハードルは低くなりつつあります。心療内科とは
心療内科は精神科とはまったく異なる科として誕生しました。心療内科とは何か?ということについては、日本心療内科学会の公式サイトで末松弘行先生が『心療内科とは』というタイトルのもとにその歴史を説明されていますので、それを引用いたします。
『人を身体面だけでなく、心理面や社会面などを含めて、全人的に治療しようとするのが心療内科です。まずは心療内科の医学における歴史や経緯を振り返ってみましょう。
すでに、2400年も前に、ギリシャの哲学者プラトンが「心の面を忘れて体の病気を治せるものでなく、医者たちが人の全体を無視しているために、治すすべを知らない病気が多い」と述べています。ことに、ルネッサンスの後に自然科学が発達してきて、19世紀にコッホが病気の原因として細菌を発見したころからは、すべてを唯物論的に考えるようになりました。そして、心の面を考えることは、むしろ邪道とされたために、心と体を含めた全体としての人を忘れたゆき方が主流となり、かつてプラトンが警告したような事態が著しくなってまいりました。そこで、このような傾向への反省として、全人的ケアをする心療内科の必要性が認識されるようになってきたのです。ですから、心療内科は比較的新しい科で、わが国で九州大学に心療内科が初めて創設されたのは約50年前です。もちろん、心療内科は「心理的な原因のみで体の病気が起こる」というような、行き過ぎた精神主義に基づくものではありません。病気の身体面でのデータを十分に踏まえたうえで、これに影響している心理的・社会的な因子の役割を正しく評価して、病人全体を治そうとするものです。ですから、親学会の日本心身医学会は日本医学会に加入を認められています。そして、様々な心療内科的治療法は保険で採用されています。
心療内科を受診されると、まず、身体的な診察や検査があり、同時に心理テストや心理・社会面での面接があります。そのうえで、必要とあれば身体的な治療もしながら、さまざまな心理療法などの心療内科的な治療が行われます。つまり、「病気を診るより、病人を診て」心と体の両面から治療する、それが心療内科です。』
この引用文の中で押さえておくべきポイントは、
1)ギリシャの哲学者プラトンが「心の面を忘れて体の病気を治せるものでなく、医者たちが人の全体を無視しているために、治すすべを知らない病気が多い」と述べています>と書かれているように、治療の対象となっているのは「体の病気」ということです。そしてそれを前提として、「体の病気」に影響を与えている「心の面」に着目する必要性が強調されています。
2)このようなプラトンの教えが古くから存在するにも関わらず、唯物論的な思考方法(すべては物質的に説明ができる、という立場)が長らく世の中を占めたために、初めて心療内科が創設されたのは約50年前(昭和38年4月)のことであり、心療内科は比較的新しい科であるということです。
精神科と心療内科の違いは?
以上のように心療内科は、体の病気の発生に心理的な要因が関与している場合に、身体的な治療とともに心理的な治療を行う科として発足しました。したがって、体の病気を心療内科では治療対象とするけれども、精神科では治療対象としない、という点が両科の最大の相違点です。
しかし、この短い50年の間にも心療内科の体質は変化して行き、上記の末松先生の記載のような本来的な心療内科の体質を維持している医療機関もあれば、うつ病などの精神疾患を中心的な治療対象としている医療機関もあります。
したがいまして、心療内科はグルーバル化が進展している途上とみなせ、後者のような心療内科は端的に精神科と呼んだ方が良いのではないかと思われます。一方精神科は、受診する際の心理的抵抗感・ハードルの高さという問題を長らくかかえて来ましたので、「精神科的心療内科」の出現をむしろ受け入れ、精神科と心療内科の両方を診療科として掲げることが多くなってきました。
以上から、「精神科と心療内科は同じ科?」という疑問に対しては、大学病院や大病院における「本来的心療内科」は別にして、巷の多くの心療内科と精神科との間に特別な相違はないのが実情である、と結論づけることができます。
(おのクリニックHPより引用)ネガティブスパイラル
1.ネガティブスパイラルとは
ネガティブ・スパイラルという言葉は、ここ数年、経済状況悪化の話題の際にしばしば耳にし、もはやなじみの言葉となっています。脱出しづらいマイナス志向の精神状態を表現するためにも多用されていますが、まずは経済現象でご説明するのがイメージが湧きやすいでしょう。
経済領域では、ネガティブ・スパイラルという言葉ではなく、デフレ・スパイラルという言葉が正式なようですが、デフレ・スパイラルとは、物価下落と景気悪化がスパイラル(螺旋)的に進展していくことです。デフレとは物の価格が下がることですが、物の価格が下がると給与が下がり、給与が下がると消費が控えられるようになって物が売れなくなり、物の価格がさらに下がるという悪循環過程に陥ります。この現象をデフレ・スパイラルといいますが、これになぞらえて、精神におけるネガティブ・スパイラルをご説明しましょう。
「ネガティブ」とは物事に対する認知がマイナスに傾いたり気分状態が落ち込んだりすることを指し示しますが、物事に対する認知がマイナスに傾くと、気分が落ち込みます。気分が落ち込むとプラスに考えられなくなり、さらに物事に対する認知がマイナスに傾きます。人間の精神構造はこのように認知と気分とが連動していますが、これが上記のメカニズムで、ネガティブな方向ばかりへと螺旋状に落ちて行き抜け出せなくなる現象を「ネガティブ・スパイラル」と称します。
2.認知療法
ネガティブな認知を改善する治療法の一つとして、認知療法があります。これはアメリカのアーロン・ベックという精神科医が、1963年にうつ病を治療するために考案した療法ですが、その後、その有効性が認められ、多くの工夫がなされて、今では様々な精神疾患に対する強力な治療法として広く実践されています。簡略化してそれをご紹介しましょう。
[状況A]私はまた女性にふられてしまった。
[自動思考]私には魅力が欠如している。
私には女性とつきあう資格がなんだ。
[合理的反応]たまたま相手と相性があわなかっただけだ。
何度かつきあううちに、相性のいい相手とも出会える。
[状況B]私はまた上司に叱られた。
[自動思考]私には能力がない。
私なんかが会社にいてもみんなに迷惑をかけるだけだ。
[合理的反応]上司から叱られた点を改善することで、
私のスキルは向上する。
叱られれば叱られるほど、私は仕事ができる人間になれる。
以上のように、ネガティブな認知形態になっている「自動思考」を「合理的反応」というポジティブな見方を導入することによって、ネガティブな認知形態の打破・改善をもたらそうとする手法が認知療法です。
3.ネガティブ・スパイラルに陥ったらすみやかに受診を
ですが、ネガティブ・スパイラルに陥っている時には、「合理的反応」というポジティブな見方をすることができません。たとえば、治療者から「たまたま相手と相性があわなかっただけで、何度かつきあううちに、相性のいい相手とも出会えますよ」と言われたとしても、 「いえ、たまたまではありません。二度あることは三度あると申します。次もまたふられる可能性の方が高いのです」とネガティブに考えるでしょうし、また、治療者から「上司の方から叱られた点を改善することで、あなたのスキルは向上します。いわば、叱られれば叱られるほど、あなたは仕事ができる人間になれるのです」
と言われたとしても、「いえ、私には叱られた点を改善する能力なんてありません。そのような能力があれば、とっくに叱られなくなっています」とネガティブに考えるでしょう。すなわち、ネガティブ・スパイラルに陥っている時には認知がネガティブ一色に染め上げられていて、湧いて来る考えがすべてネガティブな方向性を荷っています。
蟻地獄に落ち込んだような脱出不可能な悪循環。
これこそがネガティブ・スパイラルの実態なのです。
したがって、ネガティブ・スパイラルに陥っている状態には、さすがの認治療法もその効力が及びません。 ネガティブ・スパイラル現象が起きる典型的な病気はうつ病ですが、うつ病以外でも、パニック障害、神経衰弱状態などでも起こります。ネガティブ・スパイラルに陥ったらすみやかに医療機関を受診しましょう。適切な薬物療法によって、ネガティブ一色に染め上げられている認知を改変し、ポジティブな認知の可能性を開くことができます。
脱出不可能な悪循環を断ち切り、ネガティブ・スパイラルから抜け出して、認治療法の効力が及ぶ領域へと救い出すことが可能となるのです。
(おのクリニックHPより引用)